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お話の続きは異世界で

第4章 魔術師が現れて

カエルがはあっと大きく息を吐き、腕を下ろす。

「これでいいのか?」

いいなんてもんじゃない!

コクコクと何度も頷いて答えた。

「うん!すっごい綺麗!」

ノートをじっくりと眺める。

佐藤くんのカクカクした字を見るのが、何だかとても久しぶりな気がする。

懐かしくて……涙が出そうになる。

咄嗟に口元を押さえて、泣くのをこらえたら

「おりん…泣いておるのか?」

信さんが私の顔を覗き込んで聞いてきた。

「う、ううん!大丈夫!」

まだだよ。

まだ泣いて…安心なんか出来ないんだから!

顔を振って、にっこり笑って見せると、信さんも頬を緩める。

「ならば良かった」

信さんに大きく頷いて、ノートに目を落とした。

綺麗になったお陰で、ページの順番を揃えられるようになった。

順番を入れ替えて、バインダーにノートを挟む。

パラパラとページをめくり…

足りないのは3、9、13の3枚か。

3枚、どこにあるか探しに行かないと!

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