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お話の続きは異世界で

第4章 魔術師が現れて

「じゃあオイラは先に行くぜ」

私の様子に満足そうな笑みを浮かべると、カエルが片手を上げた。

え?これでお別れって事?

「待って!」

慌てて引き留めたものの…

えっと、何を言おう?

あ、カエルが不思議そうな表情を浮かべ出した。

何か言わなきゃ!

「あっ、あなたは忍者なの!?」

私の問いに、カエルはうんざりしたように顔を歪めた。

「違う!あんなもんと一緒にするな」

「あんなもんとは…」

信さんが悲しそうに呟く。

何で信さんが悲しむのよ?

首をひねる私に、カエルは胸を張って言い放った。

「俺は魔術師だ」

「魔術師」

…って、何!?

ピンとこない私に、カエルはあくまで得意気だ。

「そう。水魔法専門のな」

水…魔法…

だから、か。

やっとで納得出来た。

ノートをきれいにする事が出来たのも、水を操ることが出来るからなのか。

「もう一度お礼を言わせて」

ノートを胸に抱き締めて、カエルに頭を下げた。

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