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お話の続きは異世界で

第4章 魔術師が現れて

「ありがとう」

頭を上げたら、カエルがジタバタと足踏みをしてあわてふためいていた。

「おめぇさん、礼なんかいらねぇ!」

「でも」

本当にありがたくて嬉しかったんだもん!

「アイツがかけた迷惑だから、オイラが尻拭いをしただけだ」

え?

そう言えば、さっき…

『アイツ…おめぇさんらにも何かしやがったのかい?』

あれから少し、口調が変わったんだよね。

ウサギに迷惑かけられたから、私達に優しくしてくれたの?

「あなたはどうしてウサギを探しているの?」

あなたもウサギに迷惑をかけられて、恨みで探してるんだと思ってた。

でも…違うんだよね?

「アイツは…オイラの弟みたいなもんだった」

だった?過去形?

「今は違うの?」

カエルはゆるゆると首を振ると、握り拳に力を込めた。

「今のアイツはアイツじゃない」

「どういう事…?」

意味が分からなくて、信さんと顔を見合わせた。

信さんも首をかしげている。

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