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お話の続きは異世界で

第1章 佐藤くんの小説を読んだら

「わ、わっ!」

アンダースローで投げられたノートは、空中で開き、バサバサと音を立てる。

破らないように必死で受け止めると

「読みたければ読めば?」

突き放したような佐藤くんの口調にドキリとする。

見上げれば…

佐藤くんの目が…怖い!

一重の切れ長の目は、睨まれているようで威圧感がある。

その目力に何も言えなくなってしまう。

すると、佐藤くんが察したのか、ため息と共に口元を手で覆って顔をそむけた。

「佐藤くん、あの…っ」

「帰る」

「え!?」

「俺がいなくても、読むくらい出来るだろ」

ぶっきらぼうにそう言い残すと、佐藤くんは鞄を持ち、部室を出ていってしまった。

「あ…」

呆然とその姿を見ているだけの私に、部内のざわめきが聞こえた。

「あーあ、行っちゃった」

「ま、時間置くしかなくない?」

「俺もヤバいんだよなー」

「マジで?読んでやろうか?」

ゲラゲラ笑う声に、何だか取り残されたような気がして…

ノートをぎゅっと抱き締めた。

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