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お話の続きは異世界で

第1章 佐藤くんの小説を読んだら

学校から家に戻ってからも、胸のモヤモヤは晴れない。

あの時の自分を思い出しては、自己嫌悪に陥ってしまう。

生意気だったよなー。

『次期部長命令』なんて…すっごい上から目線じゃん。

はぁ…と大きくため息をついて、自分の頬をパチンと叩く。

自分に気合いをいれる時の、私の癖。

こうなったら、的確なアドバイスをする!

それで許してもらう!

……って思ったのに…

「なんだかなー」

読み終わって、最初に出たのがこの言葉だった。

毎年、卒業する先輩に向けて、オリジナル小説を書いて、送別会で手渡すのが慣習になっている。

今回の部誌のテーマは『成長』

ノートに記された佐藤くんの話は…

主人公は侍…なんだろうな。

めったやたらに『~でござろう』とか言う人。

まぁ、それはそれでそういうキャラなんだから、いいんだと思う。

家族に病気の人がいて、病に効く薬草を探しに山に行って、獣に追いかけられ、道に迷って、親切な忍者に助けられる。

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