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お話の続きは異世界で

第6章 一陣の風が吹いた!

「本当の処なんてぇ、ウサくんにしか分からないもんね~」

自分に言い聞かせるように言ってるの?

おどけるような口調も、その微笑みも、何だか寂しそうに見える。

「でもぉ、だからこそ…このままにしてはいけないって、そう思うの」

だからウサギを追いかける。

そう言いたいんだろうな。

だけど、ウサギを捕まえたら…

パンダウサギさんはどうするんだろう?

……それは今から考える事じゃないのかも。

話し合うにしても、どうするかも、まずは対面しないと!

1つ大きく頷くと、パンダウサギさんが微笑んで頷き返してくれた。

それが何だか妙に嬉しい。

「それにしても、国王陛下から表彰されるなんてすごいのね」

歩きながら話しかけると、カエルが自慢気に答えた。

「おうっ!スッゲー人だったんだぜぃ?」

「だった?だったって…」

「3年前に亡くなったのよぉ?」

「あ…ごめん…」

「謝る事はないわ。ちゃんとお別れ出来てるもん」

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