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お話の続きは異世界で

第7章 お目当てのものを見つけて

カエルは空を見上げて――ピョンピョンと跳ねて進むパンダウサギさんを見ているんだろう。

「オイラみたいな魔法使いはさ、精霊の力を借りねぇと何も出来ねぇんだ」

「何もって…」

「ネェちゃんは…風使いは、風を操れんだ。力を借りるんじゃねぇ。思いのままに使えんだぜ!本当…すげーよ」

そう言って、悔しそうに顔を歪めた。

どうしてそんな顔になるの?

精霊の力を借りるにしたって、魔法が使えるだけすごいと思うのに。

信さんを見上げれば、信さんも同じように考えていたのか

「ワシから見れば、魔法が使える時点で『すごい事』なのだがな」

「うん、そう!私もそう思った!」

「慰めは要らねぇよ」

プイッと顔をそむけて、つっけんどんな態度をとられたけど…少しだけ喜んでるの、かな?

さっきよりどんよりした雰囲気がなくなってるように思う。

「アンタは剣術に優れてる。そりゃあテメェの力だろぅが!」

「うむ。それも稽古の成果じゃのう」

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