テキストサイズ

お話の続きは異世界で

第7章 お目当てのものを見つけて

「オメェさんは渡り人だろ?何が目的なんでぃ!?」

「目的って!?」

カエルの話してる事がよく分からなくて、ポカンと見返す。

するとカエルは口元を歪ませた。

「…俺っちの家に来た渡り人は、魔王を倒す為にナントカの紋章がいるって、タンスから壺まで全部ひっくり返して行ったぜ?」

「え!?」

何それ!?

思わず信さんを見上げた。

「渡り人って、魔王退治なんかするの!?」

信さん、そんな事しなくていいって言ったよね!?

「あ、いや…そういう御仁もおられるのであろう」

「だって信さん…!」

感情のままに信さんに詰め寄ろうとした時

「そんなものねぇって言ってんのに!アイツら聞きやがらねぇ」

カエルの激白に、それどころじゃないと悟る。

まずはカエルの話を聞こう。

信さんを問い詰めるのはその後だ。

「それで…どうなったの?」

「どうもしねぇ。家ん中が散らかっただけだ」

「片付けていってくれないの?」

カエルは強張った表情のまま、目を細くした。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ