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お話の続きは異世界で

第7章 お目当てのものを見つけて

「違う?どこが?」

自分が渡り人だって自覚はない。

でも違うとも言い切れない。

どっち付かずの状態の中で、カエルに言われた言葉が心に響いた。

ううん。すがりたかったのかもしれない。

違うって言うには、何かしらの確証があるんじゃないか、って…

でもカエルの答えは

「どこって…がめつさ?」

「はあ?」

聞いたことを後悔するようなものだった。

ため息をついて肩を落とすと、信さんが眉を下げて懇願した。

「カエル殿、それはあまりにもひどい物言いではござらぬか?」

「た、だってよぉ!アイツらはいま必要なモノじゃなくても、後で使うかもってめぼしいものを持っていっちまうんだからな!?」

カエルはまくし立てるように早口で話すと、腕を組み

「アイツらのがめつさには、オメェさんは勝てねぇ!」

そう言って顎を上げると、ふんっ!と鼻息を鳴らした。

いや、勝とうとはそもそも思ってないけど。

苦笑いを浮かべつつ、カエルの言い分を整理して…

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