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お話の続きは異世界で

第7章 お目当てのものを見つけて

「おりんは戦いなどしたくはないのであろう?」

「え…あ、うん…」

今突然武器を渡されて「戦え」って言われても困る。

「…そうであろうな」

信さんは私を見て、くくっと笑う。

困るって言うか…きっと出来ないだろう。

だけど…

「戦わなくて…大丈夫なの…?」

色んなファンタジー系小説やゲームなんかで、主人公がこういう展開に巻き込まれるのを見たことがある。

戦闘に無理矢理連れていかれて、慣れないながらもレベル上げして…

最終的に、伝説の勇者になっちゃうってヤツ。

私には絶対無理だと思う。

思う……けど。

それで困る人はいないんだろうか?

私がこの世界に来たのにそういう意味があるなら、その願いを叶えないままでいいの…?

そんな悩みを考え続けていたら、信さんが私の頭を優しく撫でて

「退治されたから今は魔王などおらん」

そしてニカッと笑って

「おりんが戦う相手も理由もなかろう?」

信さん……!

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