テキストサイズ

お話の続きは異世界で

第7章 お目当てのものを見つけて

思わず両手を胸の前で握りしめた。

私が思い悩まないように、気遣ってくれてるんだ。

「信さん、ありがとう」

「礼など言われる覚えはないぞ?」

そう言いながら、鼻の下を指先で掻いている。

少し照れたように見えるのは、気のせいかな?

「信さんは対応が大人だよね」

だからこそ頼りになるんだけど。

でも信さんは手を振って否定する。

「ワシなどまだまだひよっこじゃぞ!?」

ひよっこって。

その言い方に笑ってしまう。

信さんは本当に優しくていい人で…

「この世界に来て、信さんに出会えて本当に良かった」

「おりん…」

「私、信さんが…」

言いかけた言葉をかき消すように、絶叫が聞こえた!

「おっそーい!」

「えっ!?」

驚いて周りを見回すと

「何してるのよぉ!追いかけてきてって言ったじゃな~い!」

不満げたっぷりの声と共に、パンダウサギさんが上空から降りてきた!

「パ…パンダウサギさん!?」


ストーリーメニュー

TOPTOPへ