テキストサイズ

お話の続きは異世界で

第8章 計算できないサムライと

歯車って言うか…風車?

子供の頃に折り紙で作った風車。

それに形も回りかたもソックリだ。

ソックリ…だよ?

その大きさを除けば。

ここから見上げた感覚で言うと、花の直径は1mはあるんじゃないだろうか。

あ、そうか。

「でっかいひまわりみたい」

私の感想に、信さんは首をひねる。

「ヒマワリは食い物じゃろう?」

え?

私が思ってるのと同じものの話をしてる?

種は炒ったり絞って油にしたりすれば食用って言えばそうなんだろう。

けど、ヒマワリは「花」ってイメージなんだけどな。

「えー?可愛いのに」

つい口を尖らせてしまうと、信さんは片目を細くしてため息をこぼした。

「可愛さでは腹は満たされんぞ」

まぁ確かにそうなんだけどさ。

この世界の食糧事情ってどうなんだろう?

花を愛でるより食べるくらい、余裕がないのかな…?

そんな事を考えていると、信さんが自分のあごに手を当てて「ふぅむ」と唸った。



ストーリーメニュー

TOPTOPへ