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お話の続きは異世界で

第8章 計算できないサムライと

「信さん?どうしたの?」

信さんは花を見上げて

「問題はどうやって捕るか、じゃな」

そう言って、うーむと唸り声を上げた。

私も倣って見上げる。

花が咲いているのは崖の中腹。

「飛び上がって斬り落とそうにも、届きそうになさそうじゃ」

「そうだね」

ジャンプして届く位置じゃないのは予想できる。

だったら近くに行くしかない?

近寄るには、ここをよじ登るしかないかなぁ?

だけど、切り立った岩肌は、足掛かりになりそうなものがないほどにきれいで…

「よじ登るのは無理じゃない?」

「それに、斬りかかるには足場がないのぅ」

ジャンプして斬れるのなら、よじ登ってでも斬れそうなのに、何が違うんだろう?

思案する信さんに首を傾げてしまう。

するとカエルが岩肌をペタペタと触り

「だったらオイラがよじ登るか」

「へ?」

「カエル!行けるの!?」

私と信さんの驚きの声に、カエルは誇らしげに胸を張った。


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