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先生、俺が教えてあげる。キスも全部

第3章 最悪な補習時間

全てのテスト用紙を渡し終え、その後の授業もきっちりこなし…、、、


放課後の時間になった。

国語の教科書を持って教室の扉を開けば夕暮れでオレンジ色に染まった教室内。

そこには普段座っている席に佐伯がちゃんと席に着いていた。

教師として安堵する反面、気が重い俺…。

頼むから補習の時間…無事に何事もありませんように…

深呼吸して佐伯に近づき、いつも通りの調子で話しかける。



「…サボらずに残ってくれてたんだな。感心感心。」



そう声を掛けると佐伯はチラッと俺を見て口を開く。


「サボったりなんかしないよ。先生じゃなかったらとっくに帰ってるけど。」

「っ…」


嬉しい言葉だけど…お前の言葉は含みがある言い方をしてくるから素直に喜べねぇ〜〜…!


「そっか。そう言って貰えるのは嬉しい限りだな。よし、まず、間違えてるとこをやっていこうか。気になる問題とかあれば聞けよ?」


佐伯の席の前の席の椅子を引いて座る。

教科書を開いて間違えた箇所に手を付けようとした時…

佐伯が頬杖を付いて爆弾発言をした。


「…気になる問題とかは無いよ。」

「…は?」

「だけどこんな機会無いし…復習もしたいからこの補習終わったら俺の質問に答えてくれる?」


無表情だった顔が一気に崩れ、口元をニンマリとさせて…

愛想良く言ってくる。

な、どういう事だ…?

意味がわからず固まっていると佐伯は続けて言う。


「勉強はちゃんとするから安心して?たださ、俺先生と一度こうして話したかったんだよね。だから色々話したい。ダメ?」


首を傾げちょっと困った表情を見せる佐伯は…普段の冷たい無表情とは違う顔付きで…まさにワンコがキューンと鳴いてるみたいな、、、

少なからずこのギャップにドキッとする奴はいるだろう。

ただ…俺的には裏に何かありそうで変な緊張感が走るけど。


「…もし、それを却下したら?」

「ん?帰るよ。補習は受けずに。」


最悪だろ、コイツッッ!!!


「…はぁ。補習は受けて貰わないと困るから…お前の質問に答える。」

「お、嬉しいね。」

「但し、変な質問は禁止な。」

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