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先生、俺が教えてあげる。キスも全部

第4章 感触


それは嫌だけど…

でもここまで来たら言うしかないか…


雪村先生はじっと俺の目を見て話し出すのを待っている。

俺は深呼吸して口を開いた。


「実は…」


























「…それって先生も多少は気になってるんじゃないの?」

「え…」


俺は事の詳細を少しだけ話した。


ある人からいきなり告白され、挙句にはキスをされ…


歳の差があるし…どうしようかと。


すると雪村先生から意外な回答が返ってきて目を丸くする。


「気になってなんかっ…」

「そうじゃ無いならなんでそこまで考えたりするの?」

「っ…そ…れは…」

「気にならない相手なら思い出したり考えたりしない。しかも触れてきたら突き放すしね。だけどそれできなかった訳でしょ?」


確かに…幾らでもそう出来た筈なのに…


何故か俺はそれができなかった。


強く言い放つだけで…


「…佐藤先生はその子にキスされて嫌だった?」

「え…」

「気持ち悪いとか思ったりはしなかった?」


そう言われ佐伯からキスされたあの日を思い出す。


嫌…?いや、不思議と無かった…何故か腰が甘く痺れて…


男同士なのに…何で気持ち悪いって思わなかった?


「っ…」

「…その顔はそんな事思わなかったみたいだね。ならそれがまず一つの答えだよ。」

「だけどっ…俺はっ…」

「認めたくないか…。まあそこら辺はゆっくり佐藤先生の中で考えていくといいよ。ただ、その子生半可な気持ち…とは思わないけど向き合うその時がきたらきっちり言ってあげなね?」


ポンッと肩を叩かれ俺は小さく頷く事しか出来なかった。

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