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先生、俺が教えてあげる。キスも全部

第4章 感触

あれから俺は無事に授業をやり終える事が出来て…佐伯とも普通に話が出来た。(動揺しないように必死に繕ってたけど)

まあ、相変わらずのアピール交戦だったが…


何やかんや交わしながらやっていたらあっという間に放課後に。


教室には部活に行く生徒や談笑している生徒などがいてその声を聞きながら黒板を綺麗にしていく。


幸いにも佐伯はもう部活へと行ったのか帰ったのか教室には居なかった。

ホッとしながらも…
雪村先生の言葉が頭の中で響く…
『気になっているんじゃないの?』


気になってる…ねぇ…
そりゃ、あんなことされたら誰だって…


『突き放すこともしなかったんでしょ?』


う、まあ…そうなんだけどさ…
やっぱり俺の大事な生徒な訳で下手に出来ないし…。


『その子…生半可な気持ちなんかじゃないと思うからその時が来たらちゃんと向き合ってあげなね?』


ピタッと手の動きを辞め力を込めて黒板消しを握り締める。
向き合うって…それに生半可な気持ちじゃないって…


相手はまだ10代で思春期真っ只中で…
からかわれてるとしか思えないだろっ…


それに俺はちゃんと断ってるっ。
うん、き、キスは…あれは…不可抗力で…



___『俺本気だから先生に伝わるようにこれから遠慮なく行くね?』


佐伯の言葉が頭の中に出てきてフルフルと首を横にする。
とにかく!生徒と恋?いやいや、有り得ねぇーから。


はぁ、こんなのに振り回されてる自分にため息が出る。


もう考えるのはやめよう…


もう一度、溜息を吐いた時「ぷっ…」と笑い声が耳に届いた。

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