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先生、俺が教えてあげる。キスも全部

第1章 突然の質問


手を軽く振り扉を開けて廊下に出る。

バタンと閉まったのを確認してハァァと大きくため息を吐く。

いきなりなんだってんだ…

佐伯とはほぼ話したことはないし…しかも授業の後、何か聞いてきたりとか無いから…気になる要素がない気がする…。

訳が分からん…。

俺…遊ばれてる?

そんな事を思いながら職員室へと向かった。





┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈…


┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈…

















「…なんかあったのか?佐藤先生。」


コーヒーが入っているマグカップを片手に聞いてくる…数学担当の村瀬良樹(むらせよしき)先生。

口が悪いけど結構親身になって聞いてくれたり、見た目はちょっとチャライ感じだけど悪い人ではない。
ちなみに見た目がカッコイイ為、女子から人気の先生だ。

職員室に入るなり自分の机に突っ伏してしまった俺を見て心配になったんだろう。

申し訳無く思いながらも顔を上げ村瀬先生の方へ視線を向ける。


「あー…ちょっと…ある生徒にからかわれてるというか…」

「からかわれてる?どういうことで?」

「いや…なんか俺のこと気になるとかなんとか…しかも好きな人いる?とか聞かれて…」


ハハハッと軽く笑って言うと村瀬先生は眉を顰め、マグカップに口付ける。


「…お前それ、からかわれてるとは限らないんじゃないか?」

「…え?」

「…鈍いからなぁ。お前。問題だけは起こすなよ。」


コーヒーを飲みながらそう言う村瀬先生に顔を引き攣らせまさか…と思う。

佐伯が?有り得ない…。


「…起こしませんよ。まあ上手くかわします。」

「…そうしてくれ。まあ思春期真っ只中だからそういう事もあるだろ。傷つけないようにかわせよ。」

「分かってますよ。でもそんな話した事ないし…何がそんなに気になるんだが…」

「話した事無くても一目惚れっつうのもあるだろ。」


一目惚れ…ねぇ。てか、佐伯と俺…男同士なんだけど!?

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