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先生、俺が教えてあげる。キスも全部

第1章 突然の質問


「お前だって恋愛の一つや二つした事くらいあるだろ?」

「う…まあ…それなりに…?」


見た目はごくそこら辺にいる普通の男だ。眼鏡を掛けているから地味だけども…

そんな俺でも女性と付き合ったりした事ある、、
だけどもキスとか…フレンチのしかやったことないし…キス以上の事もやったことない。

てか付き合ったりしたのって…学生時代以来全く無い。

って…ある意味…ヤバいのか…?

上手くかわすとは言ったけど…恋愛に久しく触れ合ってないからあまり分からねぇんだよな…。


頭の中でグルグル考え込んでいると村瀬先生がじーと俺を見つめ、ふと聞いてきた。


「佐藤ってあまり恋愛経験ねーだろ?」

「っ…!?」


ビクッと肩を震わすと、村瀬先生は「やっぱりな」と小さく笑う。

な、何で分かるんだ!?


「ど…どうして?」

「んなのお前の反応見ればわかる。」

「っ…そんな分かるもんなんですか…?」

「…まあそれなりに経験してるからなぁ、俺は。とにかくそんな落ち込むなって。ピュアでいいじゃん。」


ポンポンと慰める様に俺の肩を叩く村瀬先生。

なんか…余計傷口抉ったような…


「でも逆にそういうとこにソイツは惹かれたのかもな。」

「へ?」

「ほら、純粋で可愛いとかさ。」


ニッと揶揄うように笑う村瀬先生に俺は佐伯を思い出しながら有り得ねぇ〜と苦笑いする。

そんな事思うような奴か…?

しかもいきなりだぞ…!?いくら村瀬先生の言う一目惚れだとしてもそこまで思うもんか?

それに男同士だぞ…無い無い。


「まあ、気をつけることだな。佐藤先生。」

「っ、他人事だと思って…。分かってます!」


そう答えて次に必要な教科書を揃えていると、ガラッと職員室のドアが開き見てみれば…

欠伸をして入ってくる保健医の雪村優斗(ゆきむらゆうと)。
穏やかな性格とふわっとした雰囲気で中性的な顔立ち。でもその雰囲気のせいか女子から癒されるんだとか。まあこの人も人気な先生だ。

村瀬先生も気付いたのかコーヒーを飲みながら呆れ笑いを浮かべ話しかける。


「相変わらずだな。雪村先生。」

「ん〜?だって生徒来ないし暇だし…ふわぁ〜、眠くもなるよ。」

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