先生、俺が教えてあげる。キスも全部
第5章 人気者
「もはやアイドルみたいですよ。」
「ははっ、まあ佐藤先生の言う通りだな。しかしあれは中々ねぇぞ。…あ、雪村先生も負けてないか。」
引き攣った笑みを浮かべながら言う村瀬先生に俺は心内であなたも負けてないでしょと密かにツッコミを入れる。
「…まぁ、雪村先生も人気ですよね。」
「だよな。人気物はある意味大変だな。告白とかすげ〜んじゃねぇの?」
…告白。。
そういえば、佐伯のそういう話聞いた事ないなぁ。
俺にはある意味…ストレートに告白をしてくるけど…。
だけどあれだけ女の子が集まるくらいだから告白の一つや二つありそうだよな。
そう思っていると何故か隣にいた村瀬先生がニヤッと口元に怪しい笑みを浮かべて俺に問いかけてくる。
「…ふーん?」
「…何ですか。」
「佐藤先生、気になんの?アイツのこと。」
ニヤニヤとし佐伯を視線で示す村瀬先生には!?と言い軽く睨みつけながら反論する。
「馬鹿なこと言わないでくださいっ…!ただ凄いなぁぐらいで…」
「…はいはい。そうしておくかねぇ。」
「っ〜〜!村〜瀬〜先〜生〜っっ」
そう怒りながら言うと村瀬先生はまったく効いておらず、ただ笑って俺の頭を軽く撫でて背を向け歩き出す。
俺は手を軽くあしらい村瀬先生の後を追うように歩き出し、色々反論しながら職員室へと向かう。
その後ろ姿を佐伯はじーっと見ていたとも知らずに。