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先生、俺が教えてあげる。キスも全部

第5章 人気者

村瀬先生に頼まれた雪村先生の昼飯を持って保健室へ向かう。

かなりの生徒達がくるとは聞いてたけど…昼飯も食べれないとか…体に悪過ぎる…。

そんな事思いながら保健室前に行けば、扉から聞こえてくる数人の女子生徒の話し合う声と笑い声。

ちょっと…多くないか?

冷や汗を流しながら遠慮がちにドアをノックする。

出来れば入りたくないけど…今回ばかりは仕方ない…

すると扉の向こう側から雪村先生の声が聞こえてきた。


「はーい。」

「あ、佐藤です。」

「入ってもいいよ〜。」


相変わらずの柔らかい口調に肩の力が抜け扉を開ける。


「…失礼します。」

「…ってね、雪村先生だってそう思うでしょ?」


数人の中の一人の女の子が雪村先生に共感を求めるように言う。

他数人の女子生徒は雪村先生を囲んでいて…

これは…抜け出せないのは分かるかもしれない…。


「はいはい。君達の言い分は分かったよ。ほら、今日はこれでお開き〜。」


雪村先生の終わりの合図に不満そうに「えー」と言う女子生徒たち。

だけどその中の一人の女の子が椅子に座って何やら俯いている。

どうしたんだろう…?


「また話聞くから。今日はここまで。先生もご飯食べなきゃいけないから。」


にっこりと雪村先生が笑いかけると、さっきまでの不満はどこへやら…
顔を赤らめて素直に頷き、俺の横を数人の女子生徒が通り過ぎていく。

たった笑っただけで…効果的面って…
イケメン…恐るべし…。


「君はまだここに居る?」

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