がーるず・らぶ2 ラブ・スイッチ
第1章 恋愛のスイッチ
・・・なんだか……私達の周りで何人かが騒いでいる……気がする・・・。
身体の感覚もおかしくなっていて、誰かに運ばれている感じはするけど……目の焦点どころか周りがよく見えないし……
「……君っ!大丈夫か?!」
突然耳がクリアになったかと思うほど、急に聴覚が戻って来た。
目が回っていたような感覚も収まって、モヤがゆっくり晴れてきた。
……どうやら貧血のピークは過ぎたらしかった。
「……大丈夫かい?自分の名前、言えるかな?」
「安堂杏奈…です」
駅員さんの問い掛けに答えながらゆっくり体を起こす。
…どうやら私は駅員さんに抱きかかえられて、待合室まで運ばれ、この長椅子に寝かされたらしかった。
「……良かった〜…。杏奈ちゃんが、復活した」
私が寝かされた長椅子のすぐ脇で、雫が私を見て安堵のため息をついている。
「……私…雫と一緒に………ホームへ倒れ込んじゃったんじゃ……?」
その辺りまでの記憶はなんとなく記憶にあるんだけど・・・
「……え?あ、うん。大丈夫☆
倒れ込む瞬間、杏奈ちゃんが私を抱き抱えて、自分が下になるようにして倒れてくれたおかげで雫ちゃんは無傷なのです」
・・・え?私…そんな事してたの??
いや……多分、ドアが開く際にドアに体を預けていたから・・・開く時に、ドアに回転を掛けられてそうなっちゃっただけだろう。うん。
……まあ、なんにしても雫を怪我させなくって良かったよ、ほんっとに!