狂愛の巣窟
第4章 【意のままに踊らされて…】
私を見る目がいつもの有紗で、言ってる事がまるで違う誰かのセリフだ。
これは……何のつもりなの、有紗。
動揺したらおしまいだ。
「で、有紗は何がしたいの?」
「いっくんの事が好きって言った時、全然動揺しなかったね?ママはいっくんをどう思ってるの?享パパが居ながらどうしていっくんともエッチな事してるの?享パパは本命じゃないの?じゃ、何で結婚したの?」
「ちょ、ちょっと落ち着きなさい有紗」
「近親相姦…とか言うんでしょ?こういうの」
「黙ってた事は悪かったと思う……言えなかった、多感な時期の有紗には。享さんの事はさっきも言った通り好きよ?その血を引いた一颯くんも好き……言葉では説明の仕様がないの、理屈じゃないから」
どんな言葉を並べても納得してもらえるとは思っていない。
「ママは2人同時に好きになったって事?」
「そうね、その……有紗の気持ち考えないでこんな事…ごめんなさい」
相談すらしてきてくれたのに………
母親失格な私を許して。
「ううん、それはもう良いの」
「え……?」
「確かにいっくんに惹かれたのは本当、でも私が本当に好きになったのはママとエッチしてる時のいっくんだから」
え……!?
本当に娘の口から出た言葉なのか疑ってしまうほど衝撃的でした。
一颯くんは聞いてないフリなのか。
手コキを止めて濡れた手をティッシュで拭いたら。
こっち来て…と有紗が座っていた場所に座らされる。
すぐ傍に寝ている一颯くんの脚が。
「安心して?享パパには口が裂けても言わないから」
「有紗……」
「本当は今此処で、ママの目の前でいっくん襲ってやろうかと企んでたの」
「えっ!?」
流石にこれには一颯くんも反応する。
「でもやっぱママに見られながら…とかは恥ずかしいや……ちょっとハードル高かった」
「バカね……」
「怒ってる?いっくんに触れちゃった事」
どの面下げて怒れると言うの。
首を振ったら安心したようだ。
ひもも解いてあげている。
「でもねママ……ママを呼んだのはもうひとつ理由があって」