狂愛の巣窟
第7章 【再燃するココロとカラダ…】
一切連絡を絶ち、ひとりで産むと決意したの。
冷めたと言っても本気で好きになった初恋だったから。
遊びの恋はたくさんしたけどまだウブな女子高生だったんだもん。
年上の男に優しくされたり叱られたりしたらコロっと堕ちちゃうでしょ。
そんな感じ。
「ああ、大丈夫、担任だった事ないし」
咄嗟にそう言って享さんを誤魔化した。
本当にそうで同窓会に一度も顔を出した事はないしあれから会っても居ない。
結局、両親の反対を押し切って有紗を産んでから「離婚したから一緒になろう」と手のひら返して現れた。
この時はっきり断れば良かったと心底後悔してる。
若かったのもあるし、やっぱりひとりでの育児には不安が多かった。
産んだ事に後悔はしていないけど父親なんて別に居なくても何とでもなったよねって今なら思うけど……当時は精神的にも金銭的にも一番キツかったから差し伸べられたその手を掴んでしまったのは完全なる若気の至り。
早く大学に復学したかった事もあって両立するのに必死だった。
でも、略奪出来たと思った愛は一度冷めているので再燃しても儚かったな。
一緒に居るのにどんどん苦しくなった。
次第に辛く感じて私から離婚を切り出した。
記入、捺印した離婚用紙を置いて有紗連れて家を出たの。
実家に世話になりながら学業も両立させた。
半年くらいしてやっと離婚に応じてもらえたんだっけ。
その頃くらいから男途切れた事なかったんだよね、実は。
ギュッと抱き締められて我に返る。
「今、絶対元旦那さんの事思い出してたでしょ?」
「ん〜あまり良い思い出ではないから早く忘れさせて?」
「え?うん!」
自らパジャマを脱いで享さんに跨った。
熱いキスをして下半身を擦り付ける。
「激しくして?起き上がれないくらい」
「ん………了解」
セックスに持ち込んで面倒なやり取りは強制終了。
元旦那の事なんて話したって気まずくなるだけでしょ?
出来るなら私も言いたくない。
嫉妬したりする享さんは可愛いけどね。
「ハァハァ…もっと……そんなんじゃ忘れられない…っ」
煽って煽って逆撫でする。
私、いつからこんなに娼婦みたいな痴女になったんだろう。
男に媚びるのも絶望するにも早過ぎた。
悟り過ぎたのよ。