テキストサイズ

狂愛の巣窟

第7章 【再燃するココロとカラダ…】






言葉にして伝えるとキミは厄介で意固地になるから言わないけど、永遠の愛なんてこの世に存在しないのよ。
否定する人は今はその相手以上の人に出逢えていないだけ。
人の気持ち以上に脆いものはないの。
変わるのは一瞬。




きっとキミもそうなるんだよ。
私もいつまでも若くないしね。
心変わりする日が来たらちゃんと解放してあげるし家族に戻るだけだから。
他の人に目を向ける事に負い目なんて感じなくて良いよ。






「じゃ、行って来るね」




「待って、駅まで一緒に行く」




「え?別に良いのに」




「ちょっとでも一緒に居たい」




「んふふ、ありがとう」




「あ、待って…!」




外に出る前に最後もう一度。
優しく重なった唇……やっぱりすぐには離してくれなくて情熱的に変わる。
首に手を回して受け止める。




「これ以上したら……汚れちゃう」




「ん……ごめん、我慢出来なくて」




「今日夜遅くにはなると思うけど電話するね?間違えても十和子さんって呼ばないでよ?享さんに知られたらマズいんだから」




「うん」




外に出るとちょうど門のポストを見に来ていた隣人と鉢合わせする。
「こんにちは」と挨拶を交わした後も視線は感じてる。
ヒールに慣れないフリして一颯くんに寄り掛かった。
腕を絡めて歩く仲の良い親子を演じてる。




「お、デートかい?」とご近所にも言われて一颯くん嬉しそう。
チラッと後ろを振り向いたらちゃんとこっち見てくれてましたね。
ゾクゾクしたら危うく溜められた精子流れてきそうになりました。




改札口まで見送られてバイバイしてトイレに駆け込むの。
なるべく精子取り除いてタンポン挿れた。
向こうに着くまでこれで我慢。
アフターピルも常備してるし毎回飲んでる。




電車をいくつも乗り継いで二時間半。
やっと着いてもこれからバスで40分ほど乗って地元へ。
あぁ、次のバスまで30分もある。
周りにコンビニすらないし途方に暮れる。
まぁ、想定内だけど。




バス停に座り文庫本でも読もうと持って来ていた。
そしたらそこに一台の車がやって来て
「十和ちゃん!」なんて呼ぶ声がしたから顔を上げた。










ストーリーメニュー

TOPTOPへ