狂愛の巣窟
第7章 【再燃するココロとカラダ…】
「こんなの、ズルい」
「ね?ズルいね、私」
「今の十和ちゃんは俺のでしょ?お願い、俺だけを思って俺だけに感じて?また昔の呼び名で俺を呼んでよ……俺だけに抱かれてよ」
あ……この目……抗えないやつ。
冷ますつもりが火をつけてしまったようだ。
距離が近過ぎて2人きりの時だけ呼び合っていた呼び名がある。
勿論、他の人は知らない。
照れるから嫌だったけど呼んであげるとこの上ない幸せそうな顔で喜ぶから、私もその顔に弱くなってた。
引き返すなら今なのに。
「じゃ……ベット連れてってよ、克っちゃん」
岸くんの下の名は克幸。
だから克っちゃん。
長い間封印してたのに再び呼ぶ日が来るとは。
目尻下げて嬉しそうに笑う。
お姫様抱っこでベットに降ろされた。
シャツを脱いだ身体は当時とはかけ離れてるほど鍛え上がっていた。
だから軽々と持ち上げられたんだ。
覆い被さってきた時に左胸あたりに私から印を着けたの。
「克っちゃんは着けれないから」
私が着けるねって言おうとしたのにそれすら待てなくて唇塞ぐのね。
本当、せっかち。
落ち着きなってば。
もう私たち34の良い大人だよ?
今は悪い事してるけどね。
「消えないくらいいっぱい着けてよ、十和ちゃん…」
「良いよ、おいで」
昔、一度だけ身体の関係を持った時はまだお互いウブでとにかく一生懸命なセックスだった。
童貞奪ったんだよね、私が。
あれから十数年経って、こんな激しいセックスしてるの想像つかないね。
私の騎乗位耐えれなかったのに、腰動かせれるようになってる。
偉いね、ちゃんと練習したんだね。
「ハァハァハァ……十和ちゃん、うっ……気持ち良い…っ」
「まだイったらダメだよ?早漏治ってる?」
私のピストン忘れた訳じゃないよね?
これが欲しかったんでしょ?
だったら好きに動かせて。
耐え続けて。
「わかんないっ……けど、頑張る…っ」
耐えて……耐えて……力抜けた瞬間に攻めたぎるから。
「あぁっ…!十和ちゃん待って…!」
「待たない……てば」