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狂愛の巣窟

第8章 【倫理に反したその先で…】






「だから大学は国公立受けるし多分女子大になると思う」




「そっか、ちゃんと目標設定してるのは偉いね」




「ママは何になりたかったの?夢とかあった?」




「あれ?話した事なかったっけ?ママはね、教師になりたかったんだよ、高校か中学の」




「もしかしてその夢断ったのって私だったりする?」




「バカね、絶対それはない、私が有紗に出逢いたくて決めた事よ……ていうか彼の前でする話?」




それとなく話してるみたい、19で有紗を生んだ事は。




「何?理玖くん照れてるの?ママに会いたがってたじゃん」




「え……あ……うん、いや、綺麗過ぎて直視出来ないっす」




「アハハ!理玖くんヤバーイ、ウケる」




「からかうなよ、マジで言ってんだぞ」




そんな有紗が私の隣に来た。
真っ赤になる彼に向かって。




「私と付き合ってるとこんな綺麗なママに会えちゃうし、20年後の私もこうなるよ?なんちゃって」




「お、おう……あざっす」




あまりにも想定外なリアクションだったので思わず声を出して笑ってしまった。




「アハ、ごめんね?有紗はもっと可愛くなれると思うよ、我儘なところもたくさんあるだろうけどお付き合いしてくれてありがとう、またいつでも遊びに来てね」




「は、はい!ていうか、僕の方が惚れちゃってるんで我儘とか全然大丈夫です」




「だって、愛されてるね〜」




照れてるかと思いきやウーン…と何やら考えてる様子の有紗に彼の隣へ戻させる。
終始緊張気味でアイドルちっくな可愛さを持った娘の彼氏。




その名は松本理玖くん、20歳。
5つも上だなんて、私と享さんみたい。
この辺も血は争えないのか。
お願いだから私のように大学進学した途端孕まないでね。
苦労はして欲しくないです。




ニコニコお話していたら
「そろそろ行こっか」とお開きに。
しっかり顔は覚えました。
なんだかんだ言いながらお互い好き合ってる感じでホッコリした気持ちになった。




初のご対面は一応成功…なのかな。
いつか享さんと一颯くんにもご挨拶出来る日が来ると良いね。
享さんがどんな反応するのか楽しみだけど。
血の繋がらない娘の彼氏ってどんな感じだろう?









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