冬のニオイ
第29章 LIFE
【智side】
「あの、踊りを教える、ってことじゃなくて、遊び相手というのはどうでしょうか?
仕事が休みの時、には、なってしまいますが、一緒に体を使って遊んだり、歌をうたったり。
それでも良かったら僕でも」
「まことでございますかっ」
「はい。……ふふっ」
「ああ、有難うございますっ」
立ち上がったキタムラさんがオイラのそばまで来て、両手でオイラの手を握った。
そのまま、ぶんぶんと何度も振りながら、同時に頭を下げる。
「有難うございますっ!
有難うございますっっ!!」
「あ、あの、いいえ。
何も出来ないかもしれませんけど、オイラもタツオミ君、大好きなんで……」
「大野さん、有難うございますっ!!」
見るとキタムラさんの目が涙で潤んでいた。
それから、遊び友達と変わらないんだから報酬はいらない、って言ったら、キタムラさんがそれはダメって言い出して、ちょっと話が長くなったりしたんだけど。
オイラはそういう話は苦手だし、今日はこれから翔くんと会うから、って逃げることにした。
別れ際、キタムラさんが、そう言えば、って教えてくれたこと。
それが、オイラの心をあったかくして。
翔くんに早く会いたいな、って嬉しかった。
「あの、踊りを教える、ってことじゃなくて、遊び相手というのはどうでしょうか?
仕事が休みの時、には、なってしまいますが、一緒に体を使って遊んだり、歌をうたったり。
それでも良かったら僕でも」
「まことでございますかっ」
「はい。……ふふっ」
「ああ、有難うございますっ」
立ち上がったキタムラさんがオイラのそばまで来て、両手でオイラの手を握った。
そのまま、ぶんぶんと何度も振りながら、同時に頭を下げる。
「有難うございますっ!
有難うございますっっ!!」
「あ、あの、いいえ。
何も出来ないかもしれませんけど、オイラもタツオミ君、大好きなんで……」
「大野さん、有難うございますっ!!」
見るとキタムラさんの目が涙で潤んでいた。
それから、遊び友達と変わらないんだから報酬はいらない、って言ったら、キタムラさんがそれはダメって言い出して、ちょっと話が長くなったりしたんだけど。
オイラはそういう話は苦手だし、今日はこれから翔くんと会うから、って逃げることにした。
別れ際、キタムラさんが、そう言えば、って教えてくれたこと。
それが、オイラの心をあったかくして。
翔くんに早く会いたいな、って嬉しかった。