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【リレー小説】ルイーダの酒場

第19章 はぐれメタル狩り

ムト一行は、やっと馬車を手に入れて以降、クランチをぶん投げる事態にもならず、平穏無事に、コンペイの塔に着いた。

「おおっしゃあーっ、レベル上げまくるぞーっ! 行くぜ、野郎共! 馬車組は外でお留守番だっ!」

男に戻る。
ムトの脳内はそれしかなくて、仲間に気を配る余裕もなくなっていた。

そんなムトの様子に、パーム・レミファ・テヘペロは心配そうに見つめる。

「ムト、大丈夫かなぁ? あんなに熱入っちゃって。血圧あがりすぎて、ぶっ倒れなきゃいいけどぉ」

「そんときは、俺かレミファが、マヒャドでもムトにかまして冷やせばいいだろ」

「あはっ、そうだねぇ~」

「んがんが(そうそう)」

ハリキリ過ぎてるムトのあとを、レミファとテヘペロが追う。

その一番後ろで……

「しかし……あの大神官。ホントに、ムトを男に戻すんだろうか? なんかいまいち、信憑性に欠けるんだよなぁー」

勘の鋭いパームは、それをボソッと、ひとりごちた。

ムトの勢いは止まらない。はぐれメタルを見付けるやいなや、逃げ道を塞いで攻撃をしかける。

なにがなんでもダメージを与えてやる。魔法戦士のパームやテヘペロが与えられないダメージも、必ずHP1ポイントは確実に奪う。

はぐれメタルも、こんなやつは初めてなのだろう。いつもの笑顔が、「こいつ本気や……」の顔に見えてくる。


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