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【リレー小説】ルイーダの酒場

第22章 忍者 カズマ

「コロ助親方をご存じなりか? てことは、そなた、良い勇者だな。決めた! 拙者、そなたについて行くなり」

ムトの足元に正座した猿は、「よろしくなり」と言って、ぺこりと頭を下げた。

「え? 決めたって……エテ公に用はねぇよ」

瓦礫の少年から旅の扉について聞きだしたいムトは、早々に猿との会話を切りあげようとした。が、相手は言い返してきた。

「エテ公じゃないなり、必ず役にたつナマケモノなり」

「余計、悪いわ! ぶっちぎりの足手まといじゃねぇか」

キッと顔を上げた猿は、ムトにくいかかる。

「ナマケモノだけど、怠け者じゃないなりっ! 何を隠そう拙者、情に厚い甲賀忍者のはしくれ、望月のカズマなり」

「餅つきのカズマ?」

カズマが喋る猿じゃないとわかったムトは、つきたての餅を食べられる旅ってのもいいな、と思った。


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