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【リレー小説】ルイーダの酒場

第22章 忍者 カズマ

気づくと、瓦礫の少年もみんなの輪に入っている。仕方なくムトもその中に入り、腰をおろした。

と手元に、「よろしくなり」と書かれた葉っぱと、その上にお茶とガトーショコラが置かれている。

いつからあった?

見回すと、ダーマの廃墟のなかでいつのまにかパーティーが始まっていた。
テヘペロが、ホールのままのケーキを頬張っている。

「メ、ガ」

隣にいたクランチが、カズマが作って配ってくれたと教えてくれた。

いつ? どこで?

「ン!(ほんの数秒前に、ここで)」

その後、横に座っていたパームがムトに耳打ちする。

「それ以上、クランチに尋ねると自爆するぞ。どうやら、カズマの動きは速すぎて、クランチにしか見えないようだ。
ま、さっきは殴って悪かったな。そら、うまいぞ。食えよ」

「ホントにあいつが作ったのか?」

「あるマジシャンの動画を見ながら作ったらしい」

信じられない、という目でムトは、木にぶら下がっているカズマを見ながら、毒味させることも忘れてケーキをかじる。

すると、旅の疲れがとれ、力がみなぎった。
男に戻れず、イライラしていたムトの気持ちも、ほんわかあたたかくなった。

ムトの体力が、5上がった!
ムトの心のゆとりが、10上がった!
カズマの女子力が、15上がった!


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