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【リレー小説】ルイーダの酒場

第24章 勇者・光邦

「ぐがぉーっ!」

まだまだ足りないと思った姫は、第二波を勢いよく吐き出す。

「長く息が続くのねぇ」

感心したのは光邦ひとりで、光邦のすぐ横にいたパームは身の危険をひしひしと感じた。

そのとき、カズマがシュタッと降り立った。

「これは毒! ならば、拙者におまかせなり。
忍法、おいかぜ!」

一陣の風が吹き、よどんだ空気はどこへともなくかき消えた。

「おのれチビ猿。私の邪魔をして無事でいられるとは思わないことね」

逆上した姫の顔色が、気味悪く変化していく。

「な、なんだ? こいつ、本当にアリアハンの姫君か……!?」

パームは、腰の剣に手をかけた。

不気味に唸りながら、姫の体がブキブキと音をたて、緑から黒へと変色し膨張していく。

「今だやれ!」

パームとカズマは、姫に襲いかかる。

「待て! 待て! 待てぇー!」

膨張中の姫が手で払いながら、止める。

「お前ら、ゲームを見たことないのか?
普通、完成型になるまで攻撃できんだろが」

「カズマ、イワハシ、喋ってる間にやっちまえ!」

三人が攻撃にかかる。

「待て、こらーっ! 話が違うぞエニ〇クス」

「関係あるか! ここはスク〇ェアエ〇ックスとは無関係じゃ!」

さっきまで見ていた王妃は、みるみるうちに肌が腐敗し、ボトリと床に倒れた。

すでに死んでいたようだ。


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