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【リレー小説】ルイーダの酒場

第25章 家族の絆

イワハシはフラフラと、酔拳のように動く。

「目の前が太陽を直視した後のようになっとる……デスピサロどこだっ!」

微かに見えるシルエットを頼りに、岩をも砕く正拳突きを放った。手応えはあったが、なにやらパリパリと音がした。

イワハシが攻撃したのは、王妃の椅子だった。だが、そこには……

ヒロが慌てて、イワハシに告げる。

「い、イワハシさん! そこにあるの、あなたがコンペイの塔から持ってきた卵ですよ!」

ずっと馬車の中では、抱きついて温めていたスカイドラゴンの卵。戦いの時は邪魔になるので、椅子に置いていたのだ。

大きな卵は、ヒビが入り、1枚ずつ欠片が剥がれ落ちていく。

「ピゥ」

中から顔を出したのは、背中に翼があるドラゴン……ではなく、どう見ても神社で見かけるような龍🐲だった。

卵の中から、1メートルほどの龍が出現し、宙に浮かぶと、イワハシの周りをクルクルと舞飛ぶ。

まるで、イワハシを親だと思っているようだ。龍はイワハシの体に巻き付いた。

不思議なことに、イワハシの目が見えるようになった。

「うお、見える、見えるぞ!」

目の前には、目を塞ぐデスピサロが。


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