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【リレー小説】ルイーダの酒場

第27章 2体のトロル

村を出てからも、ムト・レミファ・テヘペロの三人は、『夕べのお楽しみ』ですっかり上機嫌の光邦と、まともに目を合わすことが出来ないまま、敵の本拠地に、ようやくたどり着いた。

「この山に、王様が捕らわれているのか……」

 暗雲に包まれている山からは、強烈な邪気を感じる。

「気味悪いとこだなぁ」

ヌメヌメとした生臭い風が吹き、ムトはフードをギュッとかぶりなおした。

突然、背後で、ドシン・ドシーンと何かが落ちてきた音がした。

振り向くとそれは、2体の大きな……と、説明する前に、そいつらは喋りだした。

「ウグウグ!
(やい、人間ども! ここは、俺たちの縄張りだ。早々に、出ていきやがりませんか?)」

「ウギウギ!
(あんた、それを言うなら、出ていきやがれ! だろ?)」

「ウグウグ!
(あ、そうか。出ていきやがれないなら、始末しました!)」

「ウギウギ!
(それは、過去形だっ! 正しくは、始末してやるっ! だっつーの)」

「ウグウグ!
(あ、そうか。で、何の話だったっけ?)」

背後から現れたのは、2体の変なトロルだった。


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