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【リレー小説】ルイーダの酒場

第27章 2体のトロル

「うーん、でもなぁ。わりに重いし、かさばるし……要らねーかな」

「そう。ならもう、返してちょうだい。私には大切なの」

「や、もうちょっと見せてくれよ」

光邦は、画面に指紋をつけまくるムトから携帯電話を取り戻そうとした。
その横から、レミファが覗きこむ。

「やっぱ、電話を持ち歩くなんて不便なんじゃなぁい? だってお喋りをしたくなったら、会いにいけばいいんだもん。行きたい土地を思い浮かべて、ルーラって唱えれば……」

♪パラリラルラ

魔法の作動音が聞こえた次の瞬間、ムト、レミファ、テヘペロ、それから、ムトの握る携帯電話をつかんでいた光邦も、どこかに引き寄せられるように勢いよく飛びあがった。

「のうわぁーーっ!!」

「いやーん、呪文唱えちゃったよぉーっ!!」

「うがうがぁー!?
(オイラ達、どこへ行っちゃうんだぁー!?)」

「え、ちょっと待って、
 なんで私達とばされてるのぉー!?」

せっかく山のふもとまで来たのに。

四人が飛ばされた先は、なんと――山の頂上にある、魔物の城の目の前だった。



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