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【リレー小説】ルイーダの酒場

第28章 暗黒城

「何でだ!? ルーラって、一度来た場所にしか行けないハズだぞ。それなのに、何で行ったことのない魔物の城に!?」

わけワカメなムトがパニクると、テヘペロが申し訳なさそうにして口を開いた。

「うがうが、うがうがうが……」
(実はオイラ、あの洞窟(ムト達が一番最初に行った洞窟)に配属される前、ここの城の魔物だったんだ。でもオイラ、失敗ばかりで……。それで、上司からあの洞窟への出向を命じられたんだ。
ずっと黙っててゴメンじょー。恥ずかしくて、知らないふりをしていて。ちなみに、ふもとで戦ったトロル二体は、たぶん新入社員だじょ)

……というわけらしい。

「そうだったんだぁ。テヘペロが居たことがあったから、ルーラで行けちゃったんだね。テヘペロ、そんな悄気ないで。テヘペロのおかげで、登る手間が省けたんだから、良かったよ!」

「うがうがぁ~(レミファぁ~)」

お気楽に喜ぶレミファに、テヘペロは涙する。けど、ムトは怒りを露にした。

「良くねぇよ! 登ってる途中でレアお宝があったかもなのに!」

「まぁまぁムト。お宝は、王様を救ってからゆっくり探していこうよ」

「……何がなんだか知らないけれど、つまりここに王様がいるってことね」

この世界に現れてからずーっとわけワカメだった光邦も、今置かれている状況を、だいぶ受け入れられるようになった。


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