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【リレー小説】ルイーダの酒場

第29章 裸の王様

「だから、あなたじゃないってば。私が求めているのは、木肌じゃなくて人間男子の肌よ? 当たり前でしょ?」

身ぶり手振りで木馬を説得させようとする光邦。
しかし、威嚇はおさまらない。

「グルグルグル」

それを見たムトが、光邦を止める。

「怖がってるんだから、お前はやめとけよ。俺が王様を助ける」

そう言って、一歩踏みだしたムトだったが、光邦同様、木馬にうなられてひるむ。

馬の対応に迷うムトの背後から、レミファがそっと声をかけた。

「この子、王様を守ろうとしてるんじゃないかなあ? ねぇ、木馬ちゃん。私たちと一緒に、ここから逃げだそう?」

レミファが優しく声をかけると、木馬はキュルルンと可愛く鳴いた。

「よしよし、いい子ね」

レミファに頭を撫でられた木馬は、嬉しそうに跳びはねた。

すると再び、王様は宙に舞い……

「あんぎゃあーーーーっ!!」

王様が、目を覚ました。

「おい木馬っ、飛び跳ねるなっ! 1ミクロンも動くな! わかったな!」

ムトが叱りつけると、

「グルルルル」

木馬はまた威嚇しだす。


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