テキストサイズ

【リレー小説】ルイーダの酒場

第31章 絶体絶命のピンチ

すると魔玉は光邦の頭にヒットした。

「いたっ! なに? 後ろから何か飛んできて……って、はあっ? あんたたち、私を置いてどこ行く気よ!!」

走って逃げていくムトたちに気づいて、光邦はフルフルと怒りを表す。

「待ちなさいよ、ゴルァっ!!」

光邦が金色の剣を持って追いかけようとした時、魔玉がカッと光った。

「えっ、なんなの? 力がっ……力が抜けるぅぅーーーっ!!」

なんと魔玉は、光邦の力を吸収し始めた。
みるみるうちに光を奪われ、光の剣はただの剣と化す。

「なっ……、一体何が起きたんだ!?」

まばゆい光を見たせいでいまだ目が慣れないムトは、まだ状況を把握できないでいた。

光邦が、力無く倒れた。

しかも、その体からは、黒い霧状の物が溢れ出てくる。
「なに、どうしたの私……」光邦は倒れたまま周りを見回す。

「勇者どの! 今ですぞ!」と王様。
「なにっ!」

倒れた光邦の背中に、シャドーモンスターの姿が……。

どうやら、魔物相手にパコパコしていた光邦の体に、やられていた魔物の魂の一部が、尻から繋がっている光邦自身へと移動し、光邦に乗り移っていたのだ。それが魔玉の力によって、表に出された。

「そういうことか!」

ムトは、シャドーに対しザラキを唱えた。



シャドーと光邦は、息絶えた。


ストーリーメニュー

TOPTOPへ