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【リレー小説】ルイーダの酒場

第14章 女優になるがよい

すると……

「キャーーッ!」

会場から悲鳴が上がった。

モンスターが乱入してきた。

逃げまどう観客。パームとイワハシは客席に降り、モンスターに挑む。

「パーム、はぐれメタルがいるぞ。逃げないようにしてくれ」

「よし、攻撃されたりギラを浴びたらチャンスだとおもえ!」

二人の連携プレーにより、経験値アップ。

テヘペロは、危険なためクランチを静かに裏に置いた。

「いくぞ!」とムトは青い狼男、リカントに挑む。

リカントの攻撃、だが、ムトには一発も当たらない。

ムトの避け方は、まるで、ダンスレッスンの動きそのものだった。

ムトはマーニャが教えたかったことを、ようやく理解した。

(そうか……そういうことだったんだな!)

ムトはマーニャの教えを胸に、艶やかな青い長い髪をなびかせながら、華麗に、優美に、魔物からの攻撃を避けていく。

ムトのあまりの美しさに、魅了されて動きが止まる魔物もいた。

動きだけじゃなく、表現力も増している。赤いドレスの女性の、女優レッスンも生かされていた。

マーニャも戦いに参戦する。

ムトとマーニャは自然と息が合い、コンビネーションで魔物を倒していく。

その様は、二人で舞い踊っているにも見え、離れたところで避難している観客達も、YouTubeで見ている閲覧者達も、ムトとマーニャの美しさに釘付けとなった。

戦いがようやく終わる頃には――

ムトは、『モンバーバラの星』となり、

スーパースターを完全にマスターした。


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