テキストサイズ

美しくて残酷な世界

第1章 もどかしい

もっと困ればいい。

もっと傷つけばいい。

そうすれば、この家に近づかなくなるから。

部屋に戻って私は、ベッドに横になった。

亜里沙さんと一緒にいる時の拓人さんは嫌い。

何であんな人と一緒にいるのか、分からない。

私は、泣きながら夢の中に落ちた。


どれくらい眠っただろう。

時計を見たら21:00を回っていた。

「お風呂入ろう。」

パジャマを持って、脱衣所に行くと、既に使ったあとがあった。

「たっくん、お風呂入ったんだ。」

そんな事を思いながら、シャワーを浴びて、髪をタオルで拭きながら、部屋に戻ろうとした時だ。

拓人さんの部屋のドアが、少し開いていた。

「たっくん?」

中を覗いて、愕然をした。

「ぁぁ……拓人……」

亜里沙さんの甘い声を聞いてしまったのだ。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ