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美しくて残酷な世界

第1章 もどかしい

あれからちょうど3年。

私は高校一年生になった。

「加純!」

「あっ、さっちゃん。」

中学からの友達のさっちゃん、染岡彩月は、私と同じ高校に合格した。

「おはよう。今日はどうだった?お父さん。」

「うーん。いつもと同じように不愛想だった。」

「ははは。加純のお父さんって、ホント笑ったところ、見た事ないよね。」

私の母と拓人さんが再婚したのは、お互い29歳の時。

私は10歳の時だった。

19歳で私を産んだ母は、結婚していなく、シングルマザーで10年間、私を育ててくれた。

だから拓人さんと出会って、私にも父親ができて、親戚の人は喜んでいた。

最初はギクシャクしていた私と拓人さんの関係も、1年が経つ頃には年の離れた兄妹のように仲良くなっていった。

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