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美しくて残酷な世界

第2章 イラダチ

楽し気なさっちゃんに連れられ、私は近くのお店に入った。

「そろそろ来てるはずなんだけど。」

さっちゃんがキョロキョロしていると、奧に座っている男の子が、じっと私達を見ていた。

「あの人じゃない?」

さっちゃんに耳打ちすると、「あっ。」とさっちゃんが手を挙げる。

やっぱりそうだった。

「彩月、遅い。」

「ごめん、修也。」

すると修也君は、私の目の前に立った。

「洞口修也です。よろしく。」

握手を求められ、私はそっと修也君の手に触れた。

その時、ぎゅっと修也君に、手を握られた。

「じゃあ、改めてこちらは……」

「五十嵐加純さんだろ。」

修也君は、わたしを見ている。

「ああ、ごめんね加純。私がいろいろ話すから、修也結構加純の事、知っちゃって。」

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