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美しくて残酷な世界

第2章 イラダチ

「見た感じが。」

それって、私に一目惚れとか?

ないない。そんなの有り得ない。

「ぷっ!」

困っている私を見て、修也君はクスクス笑っている。

「なんで笑ってるの?」

「だって、聞いた話と違くて。」

なに!?聞いた話って!さっちゃん、どんな感じに話したの!!

「彩月から聞く話だと、夢見るお嬢様かと思ったよ。」

「なっ!」

「でも、一目会って分かった。あんた本当に、その人の事好きなんだなって。」

何も言えない。

私そんなに、辛い恋をしているような、顔をしているのかな。

「まあ、暗くなる事はないよ。俺が、その相手を忘れさせてやる。」

「えっ……」

拓人さんを忘れさせてくれる?修也君が?

「言ったろ。俺はあんたが気に入ったって。俺に惚れさせてやるよ。」

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