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美しくて残酷な世界

第2章 イラダチ

まさか自分のお父さんの身体を見て、欲情しているなんて、変態なところ知られたくない。

「だったら、いいんだけど。」

自分が惨めに思えた。

私は、他の人とは違う。

「お店、出よう。さっちゃんが待ってる。」

「お、おう。」

席から立ち上がり、外に向かった。

さっちゃんが、こっちに向かって手を振っている。

「お会計お願いします。」

私が伝票を出すと、すかさす修也君がお金を出してくれた。

「俺が出すよ。」

「えっ、いいよ。」

「出す。もう俺の女だから。」

お釣りをもらった修也君は、私の手を繋いだ。

“俺の女だから”

不覚にもきゅーんときた。

男の子って、こんなに頼りがいがあるんだ。

「ありがとう。」

「ううん。どういたしまして。」

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