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美しくて残酷な世界

第4章 騒然

あはははと、亜里沙さんが笑う。

「彼氏と拓人の間で揺れ動いている乙女心?そんなのただの自意識過剰でしょう。」

「何がいいたいの。」

「せっかく彼氏ができたんだから、これを機に拓人から身を引けば?」

「はあ?」

心臓がドキドキとした。

「加純ちゃん、あなた。拓人が好きなんでしょう?」

身体がドクンと鳴った。

「ふふふ。惨めよね。自分を育ててくれた父親を好きだなんて。報われない恋?ホント、笑っちゃう。」

本当に殴ってやりたかった。

私の純粋な気持ちをけなして、笑うだなんて。

「亜里沙さん。」

「なに?」

私は動かない身体を、引き裂かれるくらいの痛みで、起き上がらせた。

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