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美しくて残酷な世界

第4章 騒然

看護師さんに言われても、この女を許さない。

自分の為に、私に「死ねばいいのに。」と言ったこの女を。

その時だった。

病室のドアが開いた。

「加純!」

拓人さんは、亜里沙さんの横をすり抜けて、私の元に来てくれた。

まるで、亜里沙さんがいないみたいに。

「大丈夫か?病名は?」

「お父様ですか?落ち着いて下さい。娘さんは、ストレス性の胃炎ですよ。あまり興奮されると、またお腹にきますから。」

どうやら看護師さんは、興奮している拓人さんのせいにしているらしい。

「たっくん。私は大丈夫。」

私は拓人さんの手を握りしめた。

そして看護師さんは、落ち着いた私を見て、「くれぐれも興奮されないように。」と言って、病室を出て行った。

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