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美しくて残酷な世界

第4章 騒然

私の側にいて、手を握ってくれている拓人さんを見て、亜里沙さんはキツイ顔をしている。

いい気味だわ。

「亜里沙、これはどういう事だ。」

拓人さんの低い声に、私は一瞬、目を疑った。

「今日は、亜里沙が夕食を作っていたはずだろう。加純に何か言ったのか?」

「言ってないわよ。私はただ拓人が好きな、ロールキャベツを作っただけよ。」

「本当か?まさか何か、変な物でも入れたんじゃないだろうな。」

「どうして、そうなるのよ。まるで私を悪者みたいに!」

急に喧嘩をし始めた2人に、不安が押し寄せる。

「喧嘩は止めて、たっくん。私、何でもなかったんだし。ストレス性って明日まで何もなかったら、退院しても良いって、言うしさ。」

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