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美しくて残酷な世界

第4章 騒然

私はこれ以上、この場にいたくなかった。

「あっ、いたたたた。」

「加純?大丈夫か?看護師さん、呼ぶか?」

「ううん。大丈夫。寝てれば治るから。」

私は拓人さんの手を握りながら、ベッドに横になった。

「亜里沙、今日はもう帰れ。」

「だけど……」

「帰ってくれ!」

拓人さんの大声に、亜里沙さんは怒りながら、病室を去った。

「ごめんね、たっくん。心配かけて。」

「いいんだ。そんなに気にするな。家族なんだから。」

「うん。」

「今日はもう寝よう。俺、ずっと付いているから。安心して。」

「うん。」

私は目を閉じて、寝たふりをした。

亜里沙さんの口からとは言え、拓人さんに私の気持ちが知れた事、恥ずかしい。

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