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美しくて残酷な世界

第4章 騒然

拓人さんは、近くにある椅子に座った。

「加純……」

拓人さんの手が、私の頬に触れる。

「加純の気持ち、何となく分かってたよ。この前も、俺に好きだって言うつもりだったんだろう。でも俺は、止めてしまった。聞いてはダメな気がしたんだ。でも、それでこんなに苦しんでいたなんて。」

私は胸が締め付けられた。

拓人さん、さすが大人だ。

私の気持ちに気づいていながら、知らない振りをしていたなんて。

「でも、聞いてしまったからには、答えを出さなきゃいけないな。」

胸がドクンと鳴った。

「加純。俺達、どうしたら、これからも一緒にいられるんだろう。」

拓人さんの気持ちが、手から流れてきて、涙が出そうになった。

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