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美しくて残酷な世界

第1章 もどかしい

「どれ。」

シャツ一枚で、ネクタイを外した拓人さんに、ドキッとした。

こんなにカッコいいなんて。

もし私の義父じゃなかったら、相当モテたろうに。

「大丈夫。これぐらいは許容範囲だから。」

「ええ?私が焦がすと思ってたの?」

「思ってた。」

「もう!」

さりげなく腕にボディタッチ。

本当に拓人さんは、私の気持ちに気づいてないのだろうか。

「今日のおかずはこれだけ?」

「ううん。後サラダ。」

「ピーマンは焼いておくから、サラダ作って。」

「分かった。」

ピーマンを焦がした分、サラダは失敗しないように頑張る。

ただレタスちぎって、ゆで卵添えるだけだけどね。

「終わった!」

「うん。ピーマンもよく焼けてる。加純、皿取って。」

「はーい。」

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