
おはな畑
第5章 雷雨の日
五条「はなちゃん、ゴホゴホなおってきたね。ベッドにごろんしよっか」
咳が落ち着いてきたところで、はなちゃんをベッドに寝かせようとすると、
ぎゅっ……
はなちゃんは俺の白衣をギュッと掴み、
はな「ちっくんする……?」
目に涙を浮かべて聞いてきた。
はなちゃんが病院を受診するのは、ふた月に一度の検診か発作などの強い症状があった時。
後者の場合、注射や点滴の処置をすることが多いので、
"咳が出れば注射される"
そう学習してしまったのだろう。
でも、今はひとまず様子見で大丈夫。
だから、
五条「ううん、チックンしないよ」
そう言って、改めてはなちゃんをベッドに寝かそうとしたのだが、
はな「うぅっ……ちっくん、こわい……っ、ゴホゴホッ!」
入院の不安や緊張も募ったか、とうとう泣き出してしまった。
